エフオン株式会社(9514)銘柄分析~唯一無二の木質バイオマス発電企業~ 

資産運用

業務内容

エフオン株式会社(以下エフオン)は、東京都中央区に本社を置く、バイオマス発電が主力の企業です。

バイオマスというのは、生物資源の総称のことで、バイオマス発電では生物資源を直接燃焼したり、ガス化することで発電を行います。

バイオマスは非常に多岐にわたっており、林地廃材等の木質系、稲わら・家畜排泄物等の農業系、食品加工廃棄物、下水汚泥、産業食用油等、さまざまなものを指しています。

バイオマス発電はこれらを原料に発電を行うのですが、CO2を排出しないものとされていて、地球温暖化対策にもなり、昨今トレンドの再生可能エネルギーの一角です。

エフオンでは、国内で発生した未利用材や建築廃材等の木材を活用してバイオマス発電を行っています。

燃料調達からプラント(発電所)の保守までを全て自社で行っているため、安定稼働を実現できているのが特徴です。

また、国内材の安定調達のため、山林事業部をつくり林業従事者の育成を行うなど、林業の発展への取り組みも行っています。

主な沿革として、

1997年5月 日本初のESCO事業(省エネ支援事業)専業の会社として設立。

2005年3月 東京証券取引所マザーズ上場。

2006年10月 エフオン発のバイオマス発電所、エフオン白河が運転開始。

2011年6月 日本テクノ傘下に。

2015年11月 東京証券取引所2部へ上場市場変更

2016年2月 東京証券取引所1部指定

となっています。

2021年5月時点で下図のとおり、全国に4か所の発電所があり、2022年に5つ目の発電所が運転開始予定です。

出典: エフオン株式会社HP エフオングループのバイオマス発電の紹介

エフオンの株価チャート

大きな上げ下げはありますが、長期でみると右肩上がりであると言えます。

出典: Yahoo Finance

エフオンの売上と利益の推移

売上に関しては右肩上がりで、上昇しています。

しかし、売上に反して営業利益が伸びていません。

これは、原材料を全て自社で賄うために行っている林業での投資が影響しているようです。

林業での人材育成や大型重機の導入に大きな投資が行われているため、利益が伸びていませんが、投資が一巡すれば自然と利益も上昇が見込まれます。

出典:エフオン株式会社 2021年6月期決算説明会資料

エフオンの資産・自己資本比率

自己資本は毎年着実に増えており、自己資本比率は40%前後を確保しています。

発電所を建設したり、林業での重機の導入を考えるとある程度の借り入れは仕方なく、十分な自己資本比率であると言えます。

出典:エフオン株式会社 2021年6月期決算説明会資料

エフオンの配当推移

エフオンの配当は1株あたり8円となっています。

現時点での株価(2021年11月16日始値)、723円を基準にすると、配当利回りは1.1%です。

安定配当を維持しつつも、将来の事業展開や企業の財務体質の強化に財源を充てていく方針のようです。

出典:エフオン株式会社 2021年6月期決算説明会資料

まとめ

国産材100%でバイオマス発電を行う企業、エフオンについて分析してみました。

燃料の調達から売電まで全て自社で行うことに加え、林業に力を入れているところに特徴があります。

現在は林業の人材育成や大型重機の導入等のコストが嵩んでおり、営業利益の伸びは見られませんが、売上高は着実に増加しています。

人材や設備への投資が一段落した際の利益の伸びに注目です。

株価は長期で見れば上昇傾向にありますが、ボラティリティもあるので、大きく下げたタイミングで購入を検討したい銘柄です。

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