本記事では、光学シートと機能製品の製造を手掛ける恵和株式会社(以下、恵和)について分析していきます。
業務内容等
恵和は、光学シートと機能製品の製造を手掛ける企業です。
設立は1948年と歴史のある企業です。
光学シートは、光線を「通過させる」、「反射させる」、「吸収する」ことによって何らかの効果を生み出す高分子フィルムのことです。
イメージとしては、スポーツサングラスをかけると、池や海からの太陽光の反射を抑えてくれ、水面化の魚を観察できたりしますね。
そのような機能を持つシートが光学シートで、カメラやディスプレイ、タブレットなどに活用されています。
恵和は光学シート関連の多くの特許を世界中で持っていて、ノートPC・スマートフォンに搭載される光学シートにおいて世界でも高いシェアを持っています。
機能製品は、特定の機能を付加した産業用部材です。
防湿性を付加した包装紙、防湿・絶縁性を付与した太陽電池用バックシート、虫除け効果を付与した農業用シート等を製造しています。
こちらが、恵和の創業来の事業で、光学シートは機能製品の技術を生かして事業化された経緯があります。
2021年時点の売上割合は、光学シートが7割強、残りが機能製品です。
光学シートの中でもノートPCとタブレット用が売上全体の半分を占めており、リモートワークの増加による、PCやタブレットの需要増の恩恵を大いに受けていると考えられます。
恵和の株価チャート
恵和は2019年上場なので、それ以降のチャートです。
上場から見事なまでに右肩上がりですね。
業績の良さを反映した、良いチャートです。
出典: Yahoo Finance
恵和の売上高・営業利益の推移
売上高は毎年だいたい同じくらいですが、営業利益は右肩上がりに伸びています。
これは低採算品を縮小していることが大きな理由です。
また、ロボット生産システムの導入も省力化の一端を担っているようです。
とはいえ、売上が伸びていないのは心配ですね。
出典:恵和株式会社 2021年7月期決算説明資料
恵和の純資産と自己資本比率
純資産、自己資本比率ともに右肩上がりに増えています。
自己資本比率は直近で40%を超えてきており、順調に経営している様子が見て取れます。
出典:恵和株式会社 有価証券報告書
恵和の配当推移
恵和の2021年11月時点での配当金は年間15円を予定しています。
2021年12月6日終値5740円で計算すると、配当利回りは0.26%です。
配当はほとんどないですね。
決算説明資料でも配当についてはほとんど説明されていないので、株主還元は配当よりも株価の上昇で、という考え方かもしれませんね。
出典:恵和株式会社 2021年12月期第3四半期決算説明資料
まとめ
光学シートと機能製品を生産する恵和について分析してみました。
恵和の強みは世界で多数の特許を持つ、光学シートの製造技術です。
恵和の光学シートはPCやタブレットに多数利用されており、在宅ワークの普及により、今後もますますの需要が予想されます。
不採算事業の整理による営業利益の伸びに対して、売上はあまり伸びていないのが懸念点ですが、今後も着実な成長が期待される企業です。
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