本記事では、障害福祉サービス事業を手掛ける、ウェルビーについて分析していきます。
障がいを持つ人は増加傾向にある反面、障がいのある方々への置かれている現状は厳しく、就職一つとっても難しいと聞きます。
将来確実に進行する少子高齢化時代を考えても、障がいがあってもスキルを身に着けることで、生きがいを感じられる仕事ができるよう支援することは、国の未来のためにとても大切なことだと思います。
業務内容等
ウェルビーは、障がい者の就労促進をはじめとする障がい福祉サービスを行う企業として2011年に創業しました。
主な事業内容としては、就労移行支援事業と療育事業の2つがあります。
就労移行事業は、障がい者専門のハローワークのようなもので、障がい者の方々が自分に合ったスキルを身に着けたり、就職活動のサポートをする事業です。
就職後のアフターフォローも行って、職場への定着率を上げています。
療育事業は障がいを持つ児童向けの事業です。
幼少期からの早期療育活動が二次障がい(子供が抱えている困難さを周囲が理解していないために、元々の障がい以外の問題が出てしまうこと)の予防に効果的で、将来の就職等に好影響を与えるという考えのもと児童に対する療育活動を行っています。
2021年3月末時点で就労移行支援事業所は全国80か所、児童発達支援やデイサービスの療育事業所が46か所あります。
障がい者の就労支援は国策であり、上述の就労移行支援事業と療育事業の収益源は行政からの補助金です。
なので国の意向次第で収益が変動してしまう可能性があることは頭に入れておく必要がありますね。
当然、ウェルビーも補助金頼みだけの経営をするつもりはなく、2021年4月にヘルスケア事業を行い始めました。
ヘルスケア事業では、「5-ALA」という健康食品の販売をしています。
健康食品というと、現在進行形で「クロレラ」や「ウコン」といった健康食材もあり、
それらのようにヒットすれば大きな利益を生み出すことができそうです。
ウェルビーの株価チャート
ウェルビーは2017年上場なので、それ以降のチャートです。
上場後は上昇していましたが、最近は下落基調です。
同じような業種の企業は軒並み似たような動きですし、保育園等を運営する企業も同じような動きなので、補助金が収益源というのがネックになっているんでしょうか。
補助金を含んだ利益の推移は素晴らしいだけに、補助金以外の収益源が確保されれば、大きく見直されると思います。
出典: Yahoo Finance
ウェルビーの売上高・営業利益の推移
売上高、営業利益共に右肩上がりに伸びています。
ただ、収益源が補助金なので、あんまり利益があると補助金を減らされたりしそうですよね。
ヘルスケア事業が成功することに期待したいです。
ウェルビーの純資産と自己資本比率
純資産は増加傾向です。
自己資本比率(純資産/総資産)は直近で大きく下げていますが、これはヘルスケア事業を始めた影響で総資産が大きくなったからです。
それでも自己資本比率は60%以上をキープしているのでとても良いですね。
ウェルビーの配当推移
現在の配当金は1株当たり16円で、2021年12月14日終値1310円を基準にすると、配当利回りは1.22%です。
配当性向は20%弱です。
配当は多くもなく、少なくもなくといったところですね。
まとめ
障がい福祉サービス事業を手掛ける企業、ウェルビーについて分析しました。
売上も利益も右肩上がりですが、収益の大半が補助金によるものであることは、頭の片隅に置いておいたほうが良さそうです。
とはいえ、新規事業のヘルスケア事業も含めて好業績であることは間違いないので、今後も注目していきたい企業ですね。
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